タイタニック Wiki
タイタニック号
船歴
船籍 イギリス
所有 ホワイト・スター・ライン
母港 リヴァプール
発注
起工 1909年3月31日
進水 1911年5月31日
命名
処女航海 1912年4月10日
その後 1912年4月15日に沈没
性能諸元
総トン数 46,328トン
排水量
全長 269.1 m
全幅 28.2 m
全高 10.5 m
吃水
機関 スコッチ式ボイラー24基/補助5基
レシプロ4気筒エンジン2基
蒸気タービン1基、50,000hp (37 MW)
推進器 混成3軸、3枚羽スクリュー推進
速力 23ノット (42.6km/h)
定員 船客数:
   1等329人
   2等285人
   3等710人
乗組員数:
   899人
Stöwer Titanic

タイタニック (RMS Titanic) は、20世紀初頭に建造された豪華客船である。

1912年4月14日の深夜に氷山に接触し、翌日未明にかけて沈没した。犠牲者数は乗員乗客合わせて1,513人(他に1,490人、1,517人、1,522~23人など様々な説がある)であり、当時世界最悪の海難事故であった。その後、映画化されるなどして世界的にその名を知られている。

概要[]

タイタニックはイギリスのホワイト・スター・ラインが北大西洋航路用に計画した3隻の旅客船のうちの2番船であった。姉妹船にオリンピック、のちに病院船として運航されたブリタニックがある。主任設計技師はアレキサンダー・カーライルで、沈没時に運命を共にしたことで有名なトーマス・アンドリューズホワイト・スター・ラインと折り合いの悪かったカーライルが辞任したのちに主任設計技師として計画に参加し、タイタニックの設計図面を完成させた。北アイルランドのベルファストにあるハーランド・アンド・ウルフ造船所で建造された、当時世界最大の豪華客船である。タイタニックの正式名称は「R.M.S.(Royal Mail ShipまたはSteamer)Titanic」。

乗員[]

タイタニックの主な乗員は、次のとおりである。

  • 船長:エドワード・ジョン・スミス
この事故により没(自らの意思により船と運命を共にする)。
  • 航海士長(副船長):ヘンリー・ティングル・ワイルド
この事故により没。
  • 1等航海士:ウィリアム・マクマスター・マードック
この事故により没。衝突時の上級当直士官。1997年の映画『タイタニック』等においては不名誉な人物として描かれたが、実際は最期まで職務を遂行して亡くなった。
  • 2等航海士:チャールズ・ハーバート・ライトラー
転覆したB号ボート→12号ボートにより生還。生還した乗員の中では最高位である。
  • 3等航海士:ハーバート・ジョン・ピットマン
5号ボートにより生還。
  • 4等航海士:ジョセフ・グローヴス・ボックスホール
2号ボートにより生還。衝突後、タイタニックの推定位置を算出した。
  • 5等航海士:ハロルド・ゴッドフリー・ロウ
14号ボートにより生還。本船沈没後、自分のボートの乗客を他のボートに移して救助に戻った。
  • 6等航海士:ジェームズ・ポール・ムーディー
この事故により没。衝突時の下級当直士官。一度はボートを受け持つよう命じられたが、自らの意思で船上に残った。
  • 機関士長:ジョセフ・ベル
この事故により没。彼を含む機関部員の多くは脱出せず、沈没時まで電力を供給し続けた。
  • 無線通信士:ジャック・フィリップス
他船舶からの氷山の警告を、通信で忙しいことを理由に無視。衝突後は、電力供給が絶えるまで遭難信号を送信し続けた。ブライドと共にB号ボートに辿り着いたが、ボート上で力尽き没。
  • 無線技師:ハロルド・ブライド
フィリップスと共にB号ボートで脱出。漂流中はボート上に立って過ごし、生還。
  • バンドマスター:ウォレス・ハートリー
この事故により没。実際は乗組員という身分でなく、2等船客として乗り込んだ。

乗客[]

タイタニックの著名な乗客は、次のとおりである。

  • ジェームス・ブルース・イズメイ(生存者の一人、ホワイト・スター・ライン社長)
  • トーマス・アンドリューズ(犠牲者の一人、タイタニックの設計者)
  • ウィリアム・トーマス・ステッド(犠牲者の一人、イギリスのジャーナリスト。オカルト信者としても有名で、沈没を予言していたといわれる)
  • イジドー・ストラウス(犠牲者の一人、アメリカの実業家)
  • ジャック・フットレル(犠牲者の一人、アメリカの小説家)
  • ベンジャミン・グッゲンハイム(犠牲者の一人、アメリカの実業家)
  • ハリー・エルキンズ・ワイドナー(犠牲者の一人、アメリカの図書収集家)
  • シドニー・レスリー・グッドウィン(犠牲者の一人、遭難当時生後19ヶ月、2007年に身元が確認された)
  • フレデリック・キンバー・スワード(生存者の一人、アメリカの弁護士)
  • ミルヴィナ・ディーン(生存者の一人、最後の生存者。2009年没。最年少の乗船者。遭難当時生後9週間)
  • バーバラ・ウェスト・ダニントン(2007年没。最後から2番目の生存者。遭難当時11ヶ月)
  • リリアン・アスプランド(生存者の一人、事故の記憶のある最後の生存者で、最後のアメリカ人生存者。2006年没。遭難当時5歳)
  • ミシェル・ナヴラティル(生存者の一人、遭難当時3歳。彼と弟のエドモンは「タイタニックの孤児」と呼ばれて広く知られた。2001年没。最後の男性生存者)
  • エヴァ・ハート(1905年~1996年 生存者の一人。遭難当時7歳)
  • ルース・ベッカー・ブランチャード (1899年~1990年 生存者の一人。遭難当時13歳)
  • ドロシー・ギブソン(1889年~1946年 生存者の一人。アメリカの映画女優。事故から一ヶ月後に公開された「Saved from the Titanic」に、自ら脚本を執筆して主演した)
  • モリー・ブラウン(1867年7月18日~1932年10月26日 生存者の一人。コロラド州の実業家の妻。1997年の映画『タイタニック』ではキャシー・ベイツが演じた。第37回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたデビー・レイノルズが 「不沈のモリー・ブラウン」で同夫人を演じた)
  • 細野正文(1870年11月8日~1939年3月14日 生存者の一人。タイタニックで唯一の日本人乗客。鉄道院副参事。鉄道院副参事はおおむね現在の国土交通省大臣官房技術参事官に当たる役職。音楽家・細野晴臣の祖父である。長い間、「他人を押しのけて乗船した卑怯な日本人」と言われていたが、手記や調査などから誤解であったとされる)

タイタニックを題材にした作品[]

タイタニックをめぐって、多くの作品が発表されている。主な作品は、次の通りである。

ドキュメンタリー[]

  • 衝撃の瞬間4 第2回 『タイタニック沈没事故 "TITANIC" (タイタニック)』(ナショナル・ジオグラフィック) - 結論に至るまでの過程の中で、陰謀論に関して反証を行っている。
  • 失われた世界の謎 第11回 『タイタニック建造の謎』(ヒストリーチャンネル)

タイタニック沈没事故が主題の作品[]

  • タイタニック (映画) - タイタニック号をモチーフにした複数の映画
  • タイタニック (ミュージカル)
  • レイズ・ザ・タイタニック - クライブ・カッスラーダーク・ピットシリーズの小説。邦題は「タイタニックを引き揚げろ」で沈んだタイタニックに積まれた希少金属を巡って暗闘するという話。ただし、海底調査以前の作品のため、同作品で書かれるタイタニックは正確なものではない。後に映画化された。
  • 吹奏楽曲マードックからの最後の手紙(作曲:樽屋雅徳) - タイタニック号の出港から沈没までをマードック一等航海士からの手紙という設定で作曲。
  • サイレントメビウス - タイタニック号を舞台にした、パソコン用アドベンチャーゲームが製作された。
  • タイタニック沈没 - ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガーの長編詩
  • タイタニック号の殺人 - マックス・アラン・コリンズによる推理小説。タイタニック号に乗船していた実在の推理作家ジャック・フットレルを主人公に、タイタニック号で発生した密室殺人と、タイタニック沈没に纏わる謎が、並行して描かれている。

タイタニック沈没事故を伏線・モデルとして扱った作品[]

  • ゴーストバスターズ2 - 幽霊船として1シーンだけ登場。港で乗客の幽霊が下船してくる。
  • タイムトンネル - アメリカのSFテレビドラマシリーズ。第1話で主人公が過去に移動したところ沈没寸前のタイタニック号の甲板であった。
  • 銀河鉄道の夜 - 宮沢賢治童話。作品中にこの海難事故をモチーフにしたと思われる客船の事故が出てくる。
  • マジック・ツリーハウス - アメリカの児童向け小説。日本語版第9巻で、上記同様過去に移動し沈没に遭遇。

音楽[]

  • タイタニック (ファルコの曲) - ファルコ

参考文献[]

  • 『タイタニック号の最期』 ウォルター・ロード佐藤亮一訳 タイタニックに関する決定的なノンフィクションであるとされる。
  • 『不沈 タイタニック—悲劇までの全記録』ダニエル・アレン バトラー著 悲劇の詳細を膨大な資料をもとに再現したノンフィクション
  • 『タイタニックは沈められた』(ロビン・ガーディナー、ダン・ヴァンダー・ヴァット) タイタニックが遭難したのは保険金詐欺を狙いにした陰謀だという説(本当に事故? なんか怪しいぞ タイタニック号の悲劇)。
  • 『なぜタイタニックは沈められたのか』(ロビン・ガーディナー)
  • 『タイタニック発見(The Discovery of The Titanic)』(ロバート・バラード)
  • 『海の奇談』(庄司浅水) この中の巨船「タイタニック」号の遭難の項で、細野正文のことにも言及しさらに船の乗組員が助かったことに関し、ロビン・ガーディナーと似通ったするどい指摘と考察を述べている。

外部リンク[]

Smallwikipedialogo.png このページには、クリエイティブ・コモンズでライセンスされたウィキペディアの記事が使用され、それをもとに編集がなされています。使用された記事はタイタニック (客船)にあり、その著作権者のリストはページの履歴に記録されています。